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こえぽた - 声優 ニュース イベント サイト声優ニュースすべての人への応援歌!佐藤ひろ美の“今”を詰め込んだアルバム「RiSE」発売記念インタビュー

すべての人への応援歌!佐藤ひろ美の“今”を詰め込んだアルバム「RiSE」発売記念インタビュー 2012年8月21日 22:35

佐藤ひろ美ニューアルバム「RiSE」発売記念インタビュー

佐藤ひろ美さんのニューアルバム「RiSE」が8月22日(水)に発売される。表題曲である新曲『RiSE』や『ひょっこりひょうたん島』のカバーに加え、佐藤さんが2010年以降に歌ったPCゲームの楽曲など計14曲を収録したアルバムだ。

岩手県大槌町出身の佐藤さんは、昨年の東日本大震災で実家を失い、父親も亡くしており、故郷である大槌町を支援したいという願いから、募金や地元でのイベントなど多くの活動を精力的に行っている。今回のアルバムにも、その思いやメッセージが強く込められているそうだ。そんな佐藤さんに、アルバム内容についてや今の思いをたっぷり語っていただきました。



――このアルバムを作るに至った思いをお聞かせ下さい。

佐藤:大槌町の人も、(直接は)被災していない人も、みんな毎日色々な悩みや問題に苦しみながら頑張って生きているんですよね。そういう人たちみんなの応援歌になったらいいなと思って、『RiSE』という曲、そしてこのアルバムを作りました。歌ってなんだろうと考えた時、やはり歌は人を優しく癒したり、元気づけたり、側に寄り添う友達のような、パワーの源であると思ったんですよ。PCゲームの楽曲も、すべてが私を形作っている曲ですし、佐藤ひろ美の“今”が凝縮されているアルバムになっています。


――表題曲『RiSE』についてお聞きします。作詞は佐藤さんがされていますが、どのような思いを詞に込めたのでしょうか?

佐藤:震災があって私自身も落ち込み、昨年1年間は記憶がないぐらい日々生きることに精一杯でした。歌でみんなに夢や元気を与える仕事をしているのに、心の中ではいつも悲しくて泣いていて。でも、それを乗り越えなくちゃいけないから、自分を奮い立たせるためにも応援歌を作りたかったんです。自分と同じ気持ちである大槌町のみんなはもちろんですが、夢に向かって頑張っている人、悩んで壁にぶつかりながらも精一杯生きている人など、頑張っている人全員に当てはまるような応援歌にしたいという思いで、歌詞を書きました。


――作曲はElements Gardenの中山真斗さんが担当されていますね。

佐藤:私のアルバムは、ベストアルバムを除いて6枚目になるんですが、表題曲は必ずElements Gardenの人間が作っているんですよ。Elements Gardenの中で、25歳になったら必ず佐藤のアルバムの表題曲を作るという掟なのか呪いがあって(笑)、元服のような感じでこれを通って大人になるんですね。今回は、今年25歳になった中山くんが『RiSE』の作曲・編曲を担当してくれました。 私からは、「どこまでも元気な曲を作って欲しい」とリクエストしたんです。昨年、東日本大震災で父を亡くし、家も友達も親戚も亡くして落ち込み、でも頑張っていこうという私の姿を中山くんも見ていたので、「佐藤さんの気持ちを聞いているだけで、曲が沸いてきた」と言ってくれました。そうして出来た曲を聴かせてもらったら、(私の気持ちに)ドンピシャというか、200%の出来の楽曲だったので、感動して心の底から「ありがとう!」と言いましたね。普段はダメ出しやリテイクもあるのですが、今回は一発OKでした。


佐藤ひろ美ニューアルバム「RiSE」

――YouTubeで公開されているPVは、大槌町の映像や写真を使っていてすごく心にくるPVでした。これを作ろうとしたきっかけを教えてください。

佐藤:実はPVを作るつもりはなかったんですよ。ジャケット写真の「RiSE」という文字を、大槌町の写真でコラージュしようと思って、今年の4月にその写真撮影をしたんです。その際に、宣伝用の資料としてビデオ撮影もしていたんですね。その時の私や大槌町の人たちの笑顔が本当に素敵で、一緒に行ったランティスの関根くんと佐橋くんも心に期するものがあったみたいで、PVにしてくれました。大槌町で毎日必死に頑張って生きている人たちの、飾っていない素直な笑顔が心を打つPVになっていて、私も見て驚きました。カメラを意識していないので、すごく自然な笑顔なんですよね。


――ちなみに、フルバージョンはあるんですか?

佐藤:残念ですがないんですよ。 歌詞も映像もそうですが、“今”頑張っている姿や気持ちを伝えたいんです。被災者・被災地と聞くと、打ちひしがれていて笑顔がない印象を受けがちで、もちろんそういう時期もありましたが、今は悲しみや苦しみ、辛さ、痛さを乗り越えて、みんな元気にたくましく笑顔で生きているんです。そういう“今”が、このPVには収められています。


――大槌町は復興してきましたか?

佐藤:全然復興していない、と言っていいと思います。もちろん、仮設住宅や公共施設がプレハブで建ちましたし、仮設商店街も出来ましたが、それだけなんですよ。町はコンクリートの土台だけがさらされていて、雑草が生え、風で種が飛んできたのか花がいっぱい咲いているんです。その風景が逆に物悲しくて、6月に『おおつちありがとうロックフェスティバル』に参加するため大槌町に帰った時、一面の花畑を見て、死んだ人が花になって咲いているような気がして涙が止まらなかったです。町の復興計画もまだ立っていないですが、みんなたくましく元気に生きています。


――震災後の様々な活動を通して、一番強く感じたものはなんですか?

佐藤:震災があってから、価値観ががらりと変わりました。今までも、もちろん仕事仲間、友人、家族、そしてファンの方々に感謝していたんですけど、もっともっと強く、自分を支えているものや育ててくれたものの大切さを感じたんです。それって、家族の愛や、友人の存在、ファンの声など、物質じゃなくて目に見えないものだったんですよね。津波で家や財産が流されて物質が全部なくなっても、思い出や愛や絆はなくならないんです。“形がないからこそ消えない”と強く感じました。音楽も形がないからこそ思いを伝えることが出来るんだなと。支えてくれるものや周りの人たちはすべて、イコール自分自身であり、すべてが繋がっていると感じたからこそ、「がんばっぺし大槌」というサイトを立ち上げて、自分が出来ることとして募金活動をしたんです。


佐藤ひろ美ニューアルバム「RiSE」発売記念インタビュー


――『ひょっこりひょうたん島』と『吉里吉里地方の子守唄~ミルキーのおっちゃんに捧ぐ~』も大槌町にまつわる曲ですね。『ひょっこりひょうたん島』を歌ったきっかけをお聞かせ下さい。

佐藤:大槌町に蓬莱(ほうらい)島という島があって、その島が井上ひさしさんの原作のモデルなんです。大槌町の人たちは、蓬莱島をシンボルとして大切にしていて、町のお昼を伝える鐘の音も『ひょっこりひょうたん島』なんですよ。ジャズや合唱など21のバージョンが流れるんです。震災が来るまでは、単なる明るいアニソンで、響きが面白い滑稽な歌だと思っていたんですが、改めて歌詞を読んだら、「苦しいこともあるだろさ~だけどぼくらはくじけない~進め」というような、すごく力強いメッセージに溢れていました。大槌町の今の気持ちにすごく当てはまるし、純粋にいい歌だなと思って、今回歌おうと決めました。震災関係のイベントでは必ず歌うようにしています。


――イベントで歌ってみていかがでしたか?

佐藤:すごく盛り上がるんですよ!おじいちゃんもおばあちゃんも子供も知っているから、みんな口ずさめるし、スイングして元気になる曲だし、歌った瞬間みんな手を叩いて歌ってくれるんですよね。それってすごく素敵だなと。応援歌でもあるし、今の気持ちに本当に当てはまる曲だと思いました。


――コーラスは株式会社Sのメンバー(佐藤さん、飛蘭さん、μさん、新田恵海さん、蒼井翔太さん、早乙女由香さん)みんなで行っていますが、収録はいかがでしたか?

佐藤:早乙女由香が元気すぎてひとりだけ声が大きかったので後ろに下げたり(笑)、逆に飛蘭の声が入らなかったので前に呼んだり(笑)と、みんなでワイワイ楽しく収録しました。飛蘭は「私が歌ったら夜の雰囲気になるんで・・・」と言っていましたけどね(笑)。でもみんな、自分たちがコーラスを入れることで元気な曲になるんだったら、と快く協力してくれました。そういう“繋がり”や“仲間”というものも、この曲で表現したいと思ったんです。


――編曲(アレンジ)は藤間仁さん(Elements Garden)がされています。佐藤さんからリクエストは出したのでしょうか?

佐藤:みんなが知っている曲なので、「スタンダードな部分は絶対に消さないで、だけど今の人がアレンジしたと分かるような新しいアレンジで」とお願いしたんです。ブラスのラインや、スイングするジャジーな部分は残しつつ、子供たちが聴いて楽しくなるような水の音や泡の音が入った、すごく素敵なアレンジをしてくれました。本当に絶妙なアレンジになっていて、こんな天才たちと一緒に仕事をしていることが嬉しくなりましたね。 蓬莱島には赤い灯台が建っていたんですが、震災で折れてしまって、藤間くんはその震災前と後の写真をふたつ並べてアレンジ作業をしたそうです。そして、「こんなに曲と向かい合って、どうしたらみんなが喜んでくれるだろうと考えて作ったことはない。この曲をアレンジしてすごく良かった」と言ってくれたんですよ。


――『吉里吉里地方の子守唄唄~ミルキーのおっちゃんに捧ぐ~』は音源がなくて大変だったとのことですが。

佐藤:大槌町に「吉里吉里(きりきり)」という地区があって、この曲はそこに昔から伝わる子守唄です。決まった歌があるわけではなく、「ねんねろねろねろ~」という最初の部分だけが同じで、あとはその家々で歌詞を変えて歌っているんです。この子守唄の伝承活動をしていた、雑貨屋“ミルキー”の店長の山崎さんという方がいまして、山崎さんは震災で行方不明のままなんですが、ずっと彼を取材してきたNHKの方から「この歌を歌い継いでいくことは僕の思いでもあるから、大槌町出身である佐藤さんに歌い継いで欲しい」とお話をいただいたんです。きちんとした音源はなかったので、取材時の山崎さんの映像を見ながら、藤間くんと譜面を起こして、今回ギターの弾き語りという形で収録しました。


佐藤ひろ美ニューアルバム「RiSE」発売記念インタビュー


――アルバムにはこの3曲以外に、PCゲームの曲が11曲収録されています。こちらについてもお聞かせ下さい。

佐藤:2010年にベストアルバムを出して以降、2012年までの2年間で歌ったPCゲームの楽曲が入っています。この2年間もありがたいことに、たくさんのメーカーさんからお仕事をいただき、色々な曲を歌わせていただきました。それぞれ(曲の)ジャンルは違うんですが、全ての曲にメッセージが込められていて、その1曲でゲームの世界観を表しています。PCゲームはタブーも少なく、すごくストーリー性や世界観が深いので、楽曲の世界観も深くてジャンルが多岐に渡っているんです。表題曲である『RiSE』に負けないような、インパクトの強い楽曲ばかりで、全てが本当に素敵な曲です。


――曲順はどのようにして決めたのですか?

佐藤:改めて聴きなおして、ライブをしているような感覚で曲を並べていきました。和風な曲、王道のアイドルソング、ザ・DKサウンド(菊田大介サウンド)など、みんな個性的な曲ばかりで、並べるのがすごく楽しかったです。出来るだけアレンジャーを近くして、音色やリズムに緩急をつけて、BGMで流していても邪魔にならないように気をつけました。


――最近はPCゲームのアーティストを集めたライブやイベントが増えてきました。そのような動きはどう感じていますか?

佐藤:本当に素晴らしいことだなと思います。PCゲームの業界にはたくさんアーティストがいるし、楽曲はすごく自由度が高くて、格好いい曲や可愛い曲、電波ソングなど色々なジャンルがあるんですね。ゲームに収録されているだけで、ファンの方と一緒に共感して楽しむ場が少なかったから、そういうイベントが増えるのはいいことだと思いますね。


――それもひとつの繋がりや絆ですよね。

佐藤:本当にそう思います。やっぱりみんな繋がりたいんですよね。パソコンが普及し動画共有サービスなどもあり、音楽をひとりで楽しむことに飽きてくると、たくさんの人と共感して楽しみたい気持ちが芽生えるんですよ。だから、最近はライブが増えましたし、たくさんの人が共感したくて集まるんだと思います。


――佐藤さんもライブで直接思いを届けているという印象が強いです。

佐藤:歌って“心”なんですよね。“心”って形がないけれど、それをどうにか形にしたくて溢れたのが音楽だと思うんです。その思いを、ダイレクトに面と向かって届けたいんですよ。だからライブが大好きだし、ライブはそういう場所だと思っています。毎年やってきたバースデーライブが、昨年は震災でストップしてしまいましたので、どのような形になるかはわかりませんが、ワンマンライブをやりたいなと思います。昨年は心が疲れきっていましたが、今は自然に歌えるようになりましたし。


――震災を乗り越えた今だからこそ作れたアルバムが「RiSE」なんですね。

佐藤:そうですね。自分の中で壁を乗り越えた先には、爽快な晴れ渡るような清々しさがあるという気持ちで『RiSE』を書きました。“Rise”という単語は日が昇る、上昇するという意味ですが、乗り越えた先にあった太陽や青い空のような楽曲を作りたくて、このタイトルにしたんです。今はここへ辿りつけたことへの感謝の気持ちがいっぱいで、歌という活動を通じて、まだ辿りつくことが出来ない人への支えや応援になればいいなと思っています。


――最後に、メッセージをお願いします。

佐藤:2010年にベストアルバムを出して、これから第2章の新しい私が始まると思ったんです。どんな第2章が始まるのかと思っていたら、(震災など)色々なことが起こって、辿りついたところがここでした。本当にたくさんの人たちの元気や笑顔の源になれるような、強くて、優しくて、たくましくて、柔らかい、そういう歌を歌っていけたらなと思っています。第2章の佐藤ひろ美も一生懸命まい進していきますので、ぜひ「RiSE」をお手に取って聴いていただけたらなと思います。今回、「RiSE」の売り上げの一部を、大槌町に寄付することになりましたので、よろしくお願いします!


佐藤ひろ美ニューアルバム「RiSE」発売記念インタビュー

(取材・文:千葉研一)


■佐藤ひろ美ニューアルバム「RiSE」
佐藤ひろ美ニューアルバム「RiSE」

【発売日】2012年08月22日(水)
【価格】3,000円(税込)
【品番】LACA-15207

【収録曲】
1.RiSE
  作詞:佐藤ひろ美/作曲・編曲:中山真斗(Elements Garden)
2.Melty Air(PCゲーム「舞風のメルト」OP主題歌)
  作詞:ayachi/作曲・編曲:中山真斗(Elements Garden) 
3.迷いの森(PCゲーム「グリザイアの果実」入巣蒔菜ED主題歌)
  作詞:桑島由一/作曲・編曲:藤田淳平(Elements Garden)
4.Dancing in the Moment(PCゲーム「恋ではなく-It’s not love, but so where near.」ED主題歌)
  作詞:RUCCA/作曲・編曲:藤田淳平(Elements Garden)
5.夏のファンタジア(PCゲーム「黄昏のシンセミア」OP主題歌)
  作詞・作曲:しほり/編曲:井ノ原智
6.Believe in You(PCゲーム「カミカゼ☆エクスプローラー!」ED主題歌)
  作詞:彩木蔵葉/作曲:水城新人/編曲:sherry、ms-jacky
7.夏果(PCゲーム「ものべの」OP主題歌)
  作詞:aruy/作曲:岩野道拓/編曲:Team-OZ
8.望郷歌~まほろば~(PCゲーム「神楽幻想譚~妖かしの姫~」OP主題歌)
  作詞・作曲:しほり/編曲:井ノ原智
9.「カケラ」(PCゲーム「理-コトワリ-」OP主題歌)
  作詞:新堂真弓/作曲・編曲:菊田大介(Elements Garden)/歌:μ&佐藤ひろ美
10.Strong enough(PCゲーム「すたどる!」ノエルキャラクターソング)
  作詞:AKI WATANABE/作曲・編曲:早乙女麗華
11.祝祭のカンパネラ!(PCゲーム「祝祭のカンパネラ」OP主題歌)
  作詞:佐藤ひろ美/作曲:上松範康(Elements Garden)/編曲:菊田大介(Elements Garden)
12.Believe Forever(PCゲーム「涼風のメルト」OP主題歌)
  作詞:Bee'/作曲:上松範康(Elements Garden)/編曲:中山真斗(Elements Garden)
13.ひょっこりひょうたん島
  作詞:井上ひさし、山元護久/作曲:宇野誠一郎/編曲:藤間仁(Elements Garden)
14.吉里吉里地方の子守唄~ミルキーのおっちゃんに捧ぐ~
  作詞・作曲:作者不詳


RiSE

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